アンティーク家具に使われている木の種類と特徴:ローズウッド

アンティーク家具の中でもローズウッドを使用しているものは逸品とされています。木の宝石とも呼ばれているほど、古くからヨーロッパなどで人気が高くなっています。希少価値が高いため、最高級の家具として取り扱われています。ローズウッドというのは、マメ科のツルサイカチ属に属している広葉樹です。主にインドや中南米、マダガスカルなどに多くみられる樹木です。

日本では、シタンとも呼ばれています。インドやパキスタン、ヒマラヤ山脈付近のものは、最も最高級とされ、唐木細工の国宝や、仏壇などにも使用されています。名前の由来は、木を切った際の切り口から、甘いバラのような香りがただようことから、名付けられています。

香りは、長い間持続するのが特徴となっています。また、ヤニを多く含んでいることから、虫害や耐候性があるため、腐敗しにくい性質をもっています。木目が美しいのが特徴のひとつとなっている他、頑丈で硬いのも魅力のひとつとなっています。刃物が使用できなくなるほどの堅さです。

ローズウッドは、ワシントン条約によって取引が制限されているため、本物のアンティーク家具は、年代が古いものになっています。種類は、ブラジリアンローズウッド、ココロボ、イーストインディアン、チンチャンなどがあります。樹種は、おおよそ12種類ほどとなっており、現在では亜種の木材や、似たような杢目の材がローズウッドとして出回っていることもあります。

色の特徴は、赤色、赤紫色、紫色が一般的で、茶色や紫木地に、黒っぽい縞模様があり、はっきりとした美しい模様を作っています。アンティーク家具としてももちろんのこと、室内の装飾や、車等の内装材としても珍重されています。家具に加工するまでには、木材を乾燥させるまでにかかる時間が長く、制作に時間がかかります。木材が乾燥した後は、磨くほどに光沢が生まれます。

また、使い込むほどに光沢が更に増すため、長い期間、変化を楽しみながら使用することができます。耐久性にもすぐれているため、長い年月使用することができます。アンティーク家具の他にもアコースティックギターなどの楽器、チェスの駒、ビリアードのキュー、ナイフの柄などに使用されることもあります。

家具で人気の高いものは、サイドボード、ハイボード、ダイニングテーブルなどがあります。一枚板を使用して作られるダイニングテーブルなどの家具はより希少とされて注目を集めています。