知っておきたいアンティーク家具用語:コラム

アンティークの定義

「アンティーク」とはそもそも1870年頃までの古代ギリシャ・ローマで遺されていたものに対して使われていた言葉です。今では古い物品一般をアンティークと呼ぶことが多くなっていますが、輸入関税に関する法律上では「作製してから100年以上経っているもの」と決められています。

ただし、それは法律上の取り決めであって、作製から100年経ったものに対して、英語ではラビッシュ・ブリックアブラック・ジャンク・アンティークと区別されることが多いです。アンティーク以外は中古品で希少価値の低いものに対して使われることが多いです。アンティークは第二次世界大戦以後に作られ始めた希少性の高いものに使われることが多いです。ただ、最近ではこの区別も曖昧になっていることが多いようです。

アンティーク家具のコラム

アンティーク家具の魅力と言えば、古き良きものを大切に使うというところでしょう。日本では古くなったものはすぐに買い換えるという「使い捨て」の家具の使い方を基本にしています。しかし、ヨーロッパでは家具に対して手入れをして使い続けるという文化が根付いています。

確かに、古くなったものを修理して使い続けることは買い換える場合よりも費用がかかることも多いです。それならば、安価な家具を使い捨てしたほうが余程節約になります。今では安価な家具を売る家具店も増え、若者を中心として人気になっています。使い捨てしやすい家具ならば、もし購入して気に入らなくても新しい家具に買い換えれば済みます。

しかし、それは亡くなった前の所有者の思い出・過去の風習・先祖の歴史などの思いが全く含まれていない使い方です。アンティーク家具の魅力とは、家具自体に含まれた良さに加えて、作製されてから現在に至るまでの歴史の重みを感じさせてくれるところです。それは決して一朝一夕で出来上がることはありません。その時間の経過こそがアンティーク家具の魅力なのです。

受け継がれてきたものを手入れして、丁寧に使い続けることで、人工的ではない風合いを帯びることもあります。長年使い続けられ、煤けてしまったとしても、その汚れ自体がアンティーク家具の美しさになるのです。使い捨ての家具には、そのような歴史の重みはありません。あるのはただ便利さと安さだけです。

質の高さが使い続けることを可能にしてくれる

使い続けられる家具というのは、ある程度しっかりと作られている必要があります。いくら丁寧に使い、修理しても、素材がそれに耐えうるものでなければ、使い続けることは難しいです。本当に良いものは何百年経っても過去と現在を繋いてくれる強さを持っています。